オンラインゲームはユートピアと成り得るのか

僕が以前から提唱してるビジネスモデルの一つに「仮想学園体験」というものがある。別に提唱してるっていっても酒の席でこんなんあったらおもしろくね?って感じにしゃべっているだけのものなのだけど。
その名のとおり、「学園」を本当に作るのだ。高校を普通に作って、つまらない授業も帰りの掃除も全部普通にやらせる。ただ一つ違うのは、そりゃもうドラマよりドラマチックな出来事ばかりが起こるのだ。当然、ドラマの演出として美形ばかりのクラスメイト。やはり絵になるのは美形だからね。あとは、ギャルゲーばりの恋愛要素。勉強(=つらいこと)、ハプニング、恋愛の3要素を上手くミックスするのが、人が喜びを感じる最上系の形だと思う。事実は小説より奇なりというけど、あんなのはたまにとんでもないことが起こるからインパクトがあるだけで、それを抽出した小説に勝てるハズなんかない。
ただ、このビジネスモデルの最大の欠点は金がかかりすぎること。まず3年間も自分の実生活を放っておける人なんて廃人か隠居生活の人だけだし、さらに3年間「プロ」の生徒を雇わなければならない。3年間拘束するんだから給料も莫大だ。しかも美形、演技力と必要なスキルも高い。さらに、完全に入り込んでもらうためには街を一つまるまる作る必要がある。コンビニとかデパートとか会社とかとにかく一つの生活圏を作る必要がある。さらに、外界からシャットアウトされた空間を作るために島を買う必要がある。これらを個人で全てまかなわなければならない。ゲイツくらいしかこんな真似はできないのである。
んで、今回この桃源郷に近づくモデルになりうるんじゃないかと思ったのがオンライン版ときめきメモリアル、「ときめきメモリアルOnline」。
http://www.itmedia.co.jp/games/articles/0502/24/news004.html
考えてみれば、学園ものとオンラインゲームほど相性が良いものなんてないと思うのに、なんでどこも出さなかったんだろう?アダルトものではあった気がするけど、いわゆる「美少女ゲー」系列では存在しなかった。もちろんネカマだらけになりそうとか犯罪の温床になりそうとか問題だらけだけど、それを差し引いても魅力的なジャンルだと思う。
タイトルに付けた「オンラインゲームはユートピアとなりうるのか」。これは残念ながら「完全に」達成するのは無理だと思う。オンラインゲームは相手がいることだから、「理不尽にモテまくる」とか、「何も努力してないのに常に物事の中心にいられる」ということはどうやっても起こらない。ただ、現実に比べればはるかに努力が報われやすい世界でもあると思う。このへんは冒険オンラインゲームで実証されていることだ。そういう意味では僕が挙げた「ゲイツ様モデル」ほどの桃源郷には辿りつけないけれど、そこそこユートピア感覚は味わえるかもしれない。
最後に。もし、僕がこのゲームに手を出したら。恋人はおろか友達の一つもできないキャラやるね。それでも毎日ちゃんと授業出て、行事も参加するの。当然周りは恋に勉強に学園生活を謳歌するわけだ。それでも何にもしない。何もしないからパラメータは当然低い。テストも毎回できずに怒られてばっか。人に話しかけられてもほとんどまともな返事もできずに、「うん…」とか「そうだね…」とか相槌を打つくらいのリアクションしかしない。当然疎まれるようになる。「他人とのパラメータ」も最低値。何一つ良いことのない学園生活。疎まれ蔑まれ苦痛なだけの学園生活。それを見ながら「ああ、俺高校生じゃなくて本当に良かった。」と思いたい。変にキラキラした学園生活を仮想体験させられると嫉妬させられてしまう性格の僕には残念ながら合っていないゲームのようだ。