はじめてのめいどきっさ。

arfy2005-02-22

最初の一歩はいつだって踏み出すのには勇気がいる。勇気さえあれば、今よりもっと素晴らしい世界を知ることができるって知ってるのに。というわけで僕はまた一つ大人の階段を登る。むしろ踏み外す。いいんだ。空が地面で地面が空なら、きっとそれは上に進んでるってことだから。
冥土in喫茶。
問題になるのは、誰と行くか?もしくは一人か?ただ、一人で行くってのはもうとんでもなく本気っぽい。かと言って友人同士でわいわい行くような所でもない気がする。殺伐とした空間が広がっているに違いないからだ。結局腐女子の人を連れて行くことにする。腐女子さんならこういうのに免疫ありまくるからね。ああこんな無難な選択をする自分が恥ずかしい。絶対逃げ入ってるよ。堂々と一人で行くのが漢の生きる道であろうに!
とはいえ、これは作戦だ!むしろ、女連れということでメイドさんも警戒心を解いてくれるに違いない。無茶なお願いも通りやすくなるハズだ。今までも「特別な場所」に行く時は数多のおもしろ行動を取ってきたこの俺だ!焼肉叙々園に行った時も、とんでもなく高いお店に入ったというわけわからん理由で、お店を出る時紙エプロンを付けたまま会計を済ますゲームをした。着物の店員さんは突っ込みを入れてはくれなかった。
お店に入ると「いらっしゃいませ〜」とアニメ顔負けの天然丸出しの声でお出迎え。オイオイ、いきなり突っ込めってことか!?「すげー、本物だよ!本物!」とはしゃぐ俺。大きなはてなマークを出す店員さん。ぐっ、リアクションも完璧だぜ…。
とりあえず、甘ったるいものを頼むのがセオリーだと思いパフェを注文。ようやく落ち着いて周りを見渡す。お店は完全に二種類のお客さんに分かれている。一つは普通の喫茶店感覚で入ってるような客。二人連れで入って、メイドよりもお互いの会話を楽しんでる感じ。「たまにはこういう変わったトコ入るのも面白いかな」くらいのノリだろうか。もう片方はいわゆる「本気」。カウンター席でメイド店員とマンツーマンなのである。ここで、実に微笑ましいのが目の前で相対しているのに、一言も言葉を発しないこと。中学生くらいの心を大人になってもずっと大切に持ち続けているんだね。話しかければ良いのになんて、無粋なコトを言うヤツもいるだろうけど僕はあれは全然あれでアリだと思う。楽しみ方は人それぞれなんだから、押し付けは良くない。ただ、無言で向かい合ってる店員さんはちょっときまずそうだけどね…。
そんな空間を尻目に「やべー店員さん腕細せ〜、足細せ〜、かわい〜」と大騒ぎする僕ら。うむ。実に迷惑な客である。わかっていつつもテンションが上がるのは仕方がないのです。と、本来の目的を忘れてはいけない。今回の目標は1.握手する2.写真撮る3.猫耳触る。なのである。まあ普通に考えて握手は問題ないであろう。うんこしないアイドルだって握手くらいはする。写真は…、まあお店の方針とかもあるだろうし、まあ50%くらい?そして、タッチ!ニンテンドーDS!は難易度激高。普通に考えれば無理であろう。うまくやらなければ!
まずは写真を。とはいえこれは特に問題なし。要は僕の写真を撮ってもらうフリをして、あさっての方向写してもらえばいいんだから。このへんははしゃぐカップルを装う見事な演技で問題なくクリア。やべえ俺俳優になれるかも。ちとはしゃぎすぎたか。見透かされているのかな…。ミサトさん…。
握手は、会計の時にでもしてもらうとして問題は猫耳だ。半端な作戦では失敗してしまう。戦場のミスは死と同義語だ。綿密に練った計画をさりげなく連れに見せる。

まず、合図を出すタイミングが大切だ。客にかまってられるくらい暇な時間を見つけなければならない。オーダーが入りそうなテーブルがないか丹念にチェック。…、よし。
「ん?こんな時にメールかよ?」と怪訝な顔でケータイを取り出す俺。店員さんから見て背中越しに座っているにもかかわらず演技を入れる。実に演技派である。本当のお洒落さんは裏地に最も凝るもんだぜ。
「すいませ〜ん」店員を呼ぶ連れ。うん。自然な発声だ。
猫耳触らせてもらってもいいですか〜?」目をキラキラさせながら言う。俺より演技派かもしれん…。と思うと同時に店員さんにすばやく視線を移す。困った顔をしたり、拒否しようとした場合には間髪いれず
「駄目じゃないか。無理言っちゃ。特定のお客さんにだけそんなことしたら不公平になっちゃうだろ?」
と言うためだ。こうすればどんな結果になろうとも、とりあえず僕は「紳士」で通せる。我ながら策士である。しかし死神をも殺すとは…。死神をも超えている…。
しかし全くの杞憂だったようだ。「全然良いですよー」と店員さん。なでなでする連れ。おのれ、一人だけ良い思いはさせん!
「僕もいいですか!?」
ここで大切なのは、「連れだけが恥ずかしい行動を取ってると周りに思われるのがかわいそうだから、別に興味はないけれど一緒に乗っかってあげている」というニュアンスの雰囲気で話しかけることだ。そうすることでますますメイドさんの好感度も上がるってもんだ。
少し驚いた感じで仕方なさそうに「良いですよ〜」と答える店員さん。ぐっ。まだ策が甘かったか…。とはいえ、目的ははたす。さわさわ。やーらかい。これがねこみみのかんしょくというものか。
最後はしっかり握手もしてもらってお店を出る。連れが軽く店員さんと会話が盛り上がっててちょっとジェラシー。まあそれ以外は完全に「グッジョブ!」だったので良いけれど。結果的に人選はベストチョイスであった!

はー。やってることが小学生のころから変わらないんだよねえ…。加藤さんのみつあみ引っ張って逃げ回ってたころから…。いい加減大人になれよ俺…。否、子供心を忘れてはいけないのである!