年月の重み。

アメリカは歴史の浅い国の代表格っぽく扱われる。あらゆる分野でNO1を行くアメリカも歴史でさえも歴史が浅い事にはコンプレックスがあるそうだ。だから、歴史的な建造物だとか芸術品をむしろヨーロッパの人よりも好むなんて話を聞いたことがある。

人の人生なんかはまさに歴史の縮図だと思う。子供のころは見るもの全てが新鮮だったのに、年と重ねると物事を記憶と結びつけたがるようになる。僕なんかも思い出深い場所をふとしたきっかけで訪ねたりすると、何より先に思い出と結びつけて、「あれからもう5年かー」なんて思ったりする。

法律の最も不思議な制度が「時効」だ。何たってその日まで逃げ切れば犯罪自体をやってない状態に戻してくれるなんてまともな感覚だとちょっと理解に苦しむ。15年も「見つかってない状態」が維持されてきたのだから状態を確定的に安定させましょう、っていうのが法律的な考え方らしいしそれはそれでわかる気もするけど。要はいつまでも過去に縛られるなってことだと思う。

これも逆に言えば年月の重みを物語ってる。なんたって殺人を無効にするくらいの威力なんだからその重さなんつったら計りようもない。

17年前に「えりかとさとるの夢冒険」というファミコンソフトが発売された。バリバリのファミコン世代であるところの僕でもタイトルすら知らないのだから、かなりのマイナーソフトだと思う。それが今急に脚光を浴びている。17年目にして製作者の隠しメッセージが発見されたからだ。以下、一部抜粋。

なつかしい きょくが
ながれてるじゃないか。
あのころは、よかったな。

みんなプロだったもんな。
……………
それにひきかえ、なんだ
こんかいのやつらは、

やっと おわった。
すべてはいいおもいでだと
ふざけんじゃねェ
このばでおれいしちゃうよ

まず、かいはつとちゅうで
おとことにげた
  おぐら かおる
てめェーだよ てめェー

まえのばん 7かいも
セックスして シャワーも
あびずに かいしゃに
くるなよ。

つぎに おおまち たつや
てめェーだよ てめェー
ヘラヘラしながらしごと
するんじゃねェー

ROMだしの とうじつに
へーきでおくれやがって。
もうスケベなほんもらって
もゆるさんぞ。

ブクブク ブクブク はら
だしやがって。 だから
2まん9せんえんはらって
もキスしかできないんだ。

内容も非常に不気味だけど、ファミコン特有の平仮名のみの文章なだけにさらにその不気味さが増している感じがする。

この文章を出すための条件は、「知ってなければ絶対に出せないコマンド」。当然作品中でもノーヒント。似たようなことは「かまいたちの夜」というゲームでもやっていたが、こっちはゲーム内にヒントがあったし製作者が見せることを意図して作っているというのがわかるものだった。これは内容的に完全に「隠しメッセージ」だろう。17年目まで誰にも気づかれずにきたことが何よりの証拠だろう。

これを最初見た時、鳥肌が立つ感じがした。仮に2,3年まえに発売されたソフトで同じことが発見されたとしても一製作者の愚痴くらいにしか思わなかったと思う。

当時、ゲーム業界自体が若い産業だった。多分、行き当たりばったりで、いろんな所でぶつかりながらも手探りで必死に突き進んだ時代だと思う。製作チームも今みたいに大人数じゃなくて、数人のグループのチームだったと聞く。あつい時代だったと思う。人に例えるなら10代半ばから後半くらいの熱い熱い時代だ。

とここまで書いたところで、「そのネタもうがいしゅつ」の情報が。ヘコむ…。もうちょい書こうと思ったけどもういいや。このまま送信してしまおう。