オリンピック

四年に一度の祭典ということで、ニュースもオリンピック一色。しかも、高校野球も同じ時期でプロ野球、Jリーグも普通にやってるからスポーツ好きにとってはたまらない時期なのだろうと思う。

オリンピックの凄さは何といっても、その圧倒的に濃縮された時間だと思う。一般的にスポーツの世界で濃縮された時間と言われて最も連想されるのは高校野球だろう。一度負けたら終わりで損得なしに全力を出し切る姿は何事にも変えられない時間というわけだ。

もちろん僕も高校野球は大好きで、全力でプレイする姿には素直に感動してしまうし負けて男泣きする選手達に感情移入してしまってテレビの前で共に泣いてしまうこともある。ただ、その密度という点ではオリンピックの方が上であると個人的には思う。

その最も大きな理由は「打算」にあると思う。オリンピックのメダリストになるということ。オリンピックに出場したがメダルを獲得できなかったということ。その差は本当に果てしなく大きい。メダリストには将来的に指導者、役員、その他様々な地位が同時に約束されることになる。言い換えれば「一瞬の賞賛だけでなく、後の人生をも獲得できる」ということだ。

ただ、この損得計算だとか欲を抑えることっていうのは本当に難しいと思う。僕が3000円(ぶんの図書券)をかけてボーリングをした時なんかでも、最後のイージーなど真ん中の1ピンを腕が縮こまってしまって取りこぼして負けてしまったことがある。この程度の勝負事でこれなのだから、一生が本当に数秒の世界で決まってしまう世界ってのは想像を絶する場所だと思う。

ただ、同時に圧倒的な充足感を得られる場所でもあると思う。ギャンブルに例えればそれこそ今まで自分の人生で築いた財産全てをBETするようなものだと思う。ほとんど殺し合いに近い世界だ。普通の人は怖くてそんな道を選ぼうとはしない。一握りの人を除けば、そんな世界に足を踏み入れることができるのはスポーツ選手だけだ。

そして、そんな世界を寝っ転がってテレビ観戦できる世の中。オリンピックはまさに現代のコロシアムなのかもしれない。