iPod mini

父親がiPod miniを予約した。アップルのホームページで予約受付開始と同時に申し込みをしたのに、発売日には到着しませんときたらしい。腹を立てた父親は品物をキャンセルしていた。なんとも血気盛んでよろしいことだ。

僕も気持ちはよくわかる。ニュースでiPod miniを売り出す所がガンガン放送されてるのを見るとねえ。このへんがアップルたるゆえんかなと感じる。もうちょいユーザーのコト考えようよと思う。ちなみに父親は僕が物心ついたころからのマックファンであり、何度もだまされた(まあ仕様変更とかだけど)らしいのに、懲りてないらしい。

そんなiPod mini。ちょいとしたブームになってるみたい。サントリー
http://www.suntory.co.jp/news/2004/8821.html
こんなキャンペーンもやっているらしい。まあこっちはiPodだけど。僕も見事に釣られてしまってまろ茶からこっちに浮気してしまっている。

でも思うのは、そんなにmp3って普及してるのか?っていうことだ。ギガ単位でmp3を使う人は少なくとも大学の僕の周りを見渡しても、僕とあと一人くらいしか思いつかない。大学の知り合いが50人として、わずか4%の割合だ。大学生なんてある意味流行の最先端にいる人でその割合なんだから、世間一般で統計を取ったらもっと低いと思う。

ただ、今回のブームで「とりあえず流行っているから」という理由だけでiPodを買う人は非常に増えると思う。玄人筋の人は大抵この手の人を侮蔑交じりに批評するものだけど、僕はむしろ肯定的にとらえてる。「とりあえず流行ってるから買う」人達がブームを担う人だからだ。そして、ブームが定着することでますます安価な製品を手に入れることができる。

僕はどちらかというと品物をネットや雑誌、口コミで徹底的に調べてから買うタイプだ。流行っているから買うというタイプの人とは正反対のポジションだと思う。

僕のようなタイプは「流れ」を作ることが出来ないけれど、流行ものを追う人は流れを作ることができる層だと思う。ブームってのはメリットデメリットがあるけれど、電化製品に限っては、やはり売れれば売れるだけメーカーは良いものを作ってくれると思うのでメリットの方が大きいような気がする。

ただ、mp3が普及してしまったら世の中どうなるんだろうなあとは少し思う。この間興味深い質問を受けた。
「CDをパソコンで聴こうとするとお金取られるんでしょ?しかもそれでも聴けなかったりするんでしょ?」
これはレーベルゲートCDとCCCDの情報が混ざって伝わってしまっているのだと思う。わかっている人からすると笑ってしまうような話かもしれないけれど、僕はこれを知ってるだけでも一般の人よりは全然知識があると思う。僕のようにパソコン雑誌を定期購読してるような人はともかく、一般の人の認知度なんてまだまだこのレベルだ。

もしiPodが普及して、誰もがmp3をギガ単位で保存するような時代が来たら。おそらく、今で言うところの「俺良いCD持ってるんだよ。MDに入れてあげるから聴いてみて」が「俺の持ってる曲、DVDに焼いて渡すよ」になるはずだ。それこそ、何百何千曲を一瞬で人に渡すという事態が日常で行われるようになる。

友達一人から大量の音楽がもらえる世の中になったら、10曲やそこらのアルバムに3000円も出す人は激減するだろう。これを企業はどうするのだろう?「違法だ!著作権侵害行為だ!!」と言って取り締まるのだろうか?だとしたら、自分の好きな音楽をちょっと友達にも聞かせてあげるっていうごくごくありふれた行為にも神経をとがらせなきゃなんなくなる。それってすごく窮屈なことだと思う。あえて陳腐な言葉で言えば「そんな音楽は自由とは程遠い。」

iPodが本格的にブームになれば当然こんな問題が発生するはずだ。その時、企業は、そして法律はどんな結論を下すのか!?非常に先が楽しみな話だ。